せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

20230503 さよなら中野サンプラザ音楽祭(寿美菜子&豊崎愛生)

2023年5月3日に開催された、「さよなら中野サンプラザ音楽祭」に参加してきました。感想です。

 

 

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概要

公演名:さよなら中野サンプラザ音楽祭(初日公演)
会場:中野サンプラザ
出演:寿美菜子豊崎愛生
バンドメンバー:平井武士(Gt.)、籠島裕昌(Key.)、外薗雄一(Dr.)、平本陽一郎(Ba.)
開演:18時35分
終演:20時45分
備考:マスク着用での声出し可

 

公式|さよなら中野サンプラザ音楽祭

■寿美菜子&豊崎愛生 出演「さよなら中野サンプラザ音楽祭」 | sphere portal square (スフィアポータルスクエア)

 

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セットリスト

01.ハニーアンドループス/寿美菜子豊崎愛生

02.Hello Allo/豊崎愛生
03.letter writer/豊崎愛生
04.Dill/豊崎愛生
05.君にありがとう/豊崎愛生
06.TONE/豊崎愛生
07.春風 SHUN PU/豊崎愛生
08.それでも願ってしまうんだ/豊崎愛生

09.Don't say "lazy"/HoshiMi Ambassador(赤崎こころ(CV:豊崎愛生)、成宮すず(CV:相川奏多)、小美山愛(CV:寿美菜子))
10.I wanted to do/寿美菜子豊崎愛生

11.ミュージックスター/寿美菜子豊崎愛生
12.Startline寿美菜子豊崎愛生
13.pretty fever/寿美菜子豊崎愛生
14."YES"/寿美菜子豊崎愛生
15.black hole/寿美菜子
16.girly highester!/寿美菜子
17.Bye Bye Blue/寿美菜子

En01.Another Wonderland/寿美菜子豊崎愛生
En02.March for Peace/寿美菜子豊崎愛生

 

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前半パートの感想

 

中野サンプラザと言えばの緞帳が上がり、『シャッフル -Precious 4 Stars-』の発売から1年3ヶ月越しに披露された『ハニーアンドループス』で開幕。こちらも中野サンプラザと言えばのミラーボールが大活躍で嬉しかった。

いったん寿さんは退場し、そこから豊崎さんのソロコンサート。「Camel Back hall」ツアー以来なので、2年ぶりですね。

 

まずは「1stライブツアーの初日、この中野サンプラザで歌った1曲目」ということで『Hello, Allo』からスタート。私はそのライブには行っていないけど、12年という年月が経過した上で、今の豊崎さんがこういう自己紹介的な歌を歌っている姿はとても美しかった。

そして続けて、2ndライブツアーの象徴的楽曲である『letter writer』。2ndは私が初めて参加した豊崎さんのライブツアーだったし、それ以降サビの歌詞<明日また君に会えますように>を拠り所にして生きてきたので、こういう特別なライブで聞けて、いっしょに歌えて幸せでした。ちょい泣いた。

3曲目の『Dill』は、ソロアーティスト・豊崎愛生の方向性が固まった曲であり、業界に大きな影響を与えた曲。

 

田淵 「Dill」っていつでしたっけ?僕としては、あれがアニソン界と作家フィーチャー時代の象徴的な事件だったんですよ。あれを聴いて僕は、「あ、いいんだ」っていう流れになったというか、あれ以降「作家は誰で」ってフィーチャーされるようになった記憶がありますね。むしろ、「頼めばやってくれるんだ」って(笑)。みんなも思ったはずなんですよ。

――たしかに豊崎愛生という声優に、ミトさんをはじめクラムボン全員が参加したというのは大きなニュースになりましたよね。

ミト 当時沖井くんにも田淵くんと同じようなことを言われたんだよね。「Dill」を聴いて、「やっていいんだって思った」って(笑)。

田淵 そうそう(笑)。やっぱりあそこは大きな転換期だったと思うし、制作側だけじゃなくてリスナーも「アリなんだ」って思ったんですよ。みんなのアニソンというカルチャーへの参加権みたいな、参入する権利みたいなのがひっくり返った印象がありますよね。

――当時はそうした作詞作曲編曲、あるいは演奏といったクレジットがニュース性になるというか、フレッシュだったんですよね。

田淵 逆に今はそういうクレジット先行みたいな方向性が当たり前になってきているじゃないですか。その発端は何かというと「Dill」なんですよね。何度も例に出して申し訳ないんですけど(笑)。で、それがなんでそうなったかというと、やっぱり豊崎さんの引っ張ってくる力もあったような気がしますよね。

ミト あの時代は特にね。

田淵 “歌う声優さん”というカテゴリーの中に、豊崎愛生という“マジ音楽オタク”がいたというのが後にも先にも珍しいケースで。

 

【特別対談】ミト(クラムボン)×田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN) | リスアニ10th ANNIVERSARY より中略しつつ一部抜粋

 

翌日に生放送でオンエアされた「豊崎愛生のおかえりらじお」で、この2~3曲目について

『letter wiriter』はコロナ禍でも思い続けてきた<明日また君に会えますように>を、『Dill』では<明けてゆく空のむこう……>で戻ってきた日常を歌った

みたいなことをお話されていて、なるほどなぁと思ったんだけど、客席の私は違った感情を受け取っていて。

初期の豊崎さんを象徴するような3曲ですし、「この中野サンプラザ豊崎愛生が立ったことを刻みつけてやるぞ」というエゴめいたもの、とでもいいますか。特に『Dill』では、2番Aメロの照明がキレッキレに決まっていたり、照明を活用して影を会場の壁に投影していたりしたので(中野の影演出がもう見られないの悲しいね)、そういう「強度の高さ」みたいなものが印象的でした。正解はわからないけど、それが楽しいね。

 

4曲目は『君にありがとう』。これはもう亡くなってしまった愛犬へ贈る歌……というのが元のコンセプトで、空を見上げながら歌うことが多いように思っています。でも、今回は会場に向けて歌っているんだなぁというのが視線や表情から伝わってきて、月並みだけど「役者ってスゲ~」となっていました。同じ歌詞、同じ旋律でも、そこに込められたメッセージを再解釈して表現できるという、この特殊スキルよ。カッコよかったですね。

それと、聴く人によってはそれぞれの「君」がいるのかも、と思ったり。それだけ中野サンプラザはたくさんの思い出をくれた会場ですからね。

 

5曲目『TONE』は、『君にありがとう』から連続で披露されたことをふまえると、<あたりまえのように共に生きてた>の歌詞を中野サンプラザに向かって歌いたくて採用したのかなと想像。抽象的で少し達観したような視点から紡がれる歌詞なのが、余計に別れを惜しんでいるように聞こえました。

 

6曲目『春風 SHUN PU』はまぁそりゃやるわな枠。私が初めて中野サンプラザに行った公演であり、豊崎さん名義でのイベントへの初参加だった「豊崎愛生のMusic Rainbow 02(2013年3月開催)」でも披露されていた曲です。そのときは2階席の端っこ(マジの端っこ)でひとりで参加していたのが、今回は1階席の真ん中あたりで嫁さんと一緒に参加していて、あたたかさが段違いでしたね。顔も名前も知らない仲間たちと共に思い出を重ねることの心地よさを教えてくれたのも、そんな中で嫁さんと出会わせてくれたのも豊崎さんだったなぁと。さすがにグッと来ちゃうわね……。

 

ラスト7曲目は『それでも願ってしまうんだ』。2021年の「Camel Back hall」ツアーでは声出しができなくて、これが中野サンプラザで唯一と言っていいくらい後悔が残っていた曲だったので、こういう場を設けてくれて本当に嬉しかったです。

 

1曲目『Hello, Allo』で自己紹介して、2曲目『letter writer』で「君」への気持ちを歌い、そこから時代や会場に対する気持ちを挟んで、最終的にスケールを広げて「みんなとの話」に帰結させるという構成が美しかったですね……。なんだか、アーティスト・豊崎愛生の人生観をまとめて振り返るようなセットリストだなと感じました。最新アルバムのリード曲にしてリベンジ的意味合いを持っていた『それでも願ってしまうんだ』を軸に考えたセトリだと思っていて、その曲を提供した御二方が提供した過去曲をやるというのもニンマリポイントが高くて良かったです(ミト:『Dill』、田淵智也:『letter writer』)。

 

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後半パートの感想

 

相川奏多さんがサプライズ登場しての『Don't say "lazy』と、イベント冒頭と同じく『シャッフル -Precious 4 Stars-』から『I wanted to do』を挟んで、後半は寿さんのソロライブ。イギリス留学前である2019年5月に開催された『寿美菜子 One day show up #1』以来なので、なんとびっくり4年ぶりでございます。

 

豊崎さんが退場し、暗転した会場に鳴り響く<ハロー ディアー ミュージックスター>のアカペラと、照明でめちゃくちゃ後光が差している寿さんの立ち姿。マジでお前がミュージックスターだ…………という景色だったね。1曲目『ミュージックスター』を浴びながら、この人と同じ時代に生きている幸せを噛みしめておりました。

 

爽やかロックな2曲目Startlineを挟んで、3曲目は『pretty fever』。この時点で私の脳は「オッ!いつ『girly highester!』が来るんだい!」でいっぱいでした。豊崎さんが田淵曲を全部やり、寿さんも『pretty fever』をやり、残るは『girly highester!』だけですからね。やらないわけがないだろ。

 

4曲目は『"YES"』。<I believe in my ability>の歌詞を説得力を持って歌えるの、ほんと強すぎるだろ。

5曲目は『black hole』。この曲、この会場、そして豊崎さんと寿さんと言えば、2015年12月開催の「スフィアのMusic Rainbow 03」ですね。カラオケ大会みたいな趣旨のイベントで、豊崎さんがカバーしたんだよな。楽しかったねぇ。

 

そしてアウトロに入って「あれ、なんか『girly highester!』に繋がりそうな雰囲気じゃない……?」と震えながらキーボードの籠島さんを凝視する私。アッ!籠島さんが腕まくりしてる!!!!!ってことは!!!!!

 

テテテテテテテテテテテテテテテ♪

ィヤッタァァァウワァァァァァ!!!

 

父さん、母さん。俺やったよ……!最後の中野サンプラザで田淵曲を全部回収できたよ…………!!

籠島さんも今年で57歳ですか。できるだけ長く元気に、腱鞘炎には気をつけてステージに立ってください。そして俺に『girly highester!』を何度でも聴かせてくれ……!

 

最後は『Bye Bye blue』で綺麗に〆。寿美菜子ここにあり、という天晴なライブでした。

 

アンコールは『Another Wonderland』『March for Peace』という、相性抜群なパーリーソングをシームレスに繋ぐという構成。2人と客席でワイワイやれて気持ち良かった〜。

最後は『ハニーアンドループス』をBGMに緞帳が下りてきて終了。朝アニメである『プリプリちぃちゃん‼︎』のED曲で公演の幕が下りるの、新しい朝が始まるぜ!という感じで、中野サンプラザのフィナーレイベントとして非常に良かった。

 

***

 

最後に

 

中野サンプラザは私にたくさんの思い出をくれました。

何度も何度も足を運んだので、駅前の喧騒も、ブロードウェイの空気も、カッコいい時計台も、でっかい滑り台みたいな外観も、ロビーの雰囲気も、そして客席からの景色も、全部覚えています。

そんな会場がなくなるのは寂しいけど、また新たな文化の発信地として生まれ変わるのが楽しみでもありますね。

 

参加した公演をまとめてみようかな。数えてみたら計42公演でした。

2013.03.30 豊崎愛生のMusic Rainbow 02
2014.12.30 洲崎西 WINTER PARTY 2014~あっちゃん・ぺっちゃんのミルフィーユハーモニー~
2015.05.24 洲崎西単独イベントvol.3「ざきにし春の豚まつり〜Majiで絶頂5秒前」昼の部・夕方の部
2015.08.15 SEASIDE SUMMER FESTIVAL 2015 昼の部・夕方の部
2015.12.28 スフィアのMusic Rainbow 03 昼公演・夜公演
2015.12.29 TrySailのMusic Rainbow 03 昼公演・夜公演
2016.02.14 SEASIDE WINTER FESTIVAL 2016 昼の部
2016.05.22 あどりぶグランプリ2016(洲崎西×あどりぶ 昼の部)
2016.05.22 洲崎西 presents 糸~縦の糸はあや 横の糸はあすか~(洲崎西×あどりぶ 夜の部)
2016.07.24 豊崎愛生3rdコンサートツアー2016 The key to Lovin' 東京公演
2016.08.16 UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2016「Dr.Izzy」東京公演2日目
2016.09.04 洲崎西サマーパーリー2016~バボでバブリー泡祭り!~
2016.09.04 SEASIDE SUMMER FESTIVAL 2016~シーサイド大運動会~
2016.10.08 雨宮天ファーストライブ2016 "Various SKY" 東京公演
2016.12.27 戸松遥のMusic Rainbow 04
2016.12.27 高垣彩陽のMusic Rainbow 04
2016.12.28 夏川椎菜のMusic Rainbow 04
2016.12.28 雨宮天のMusic Rainbow 04
2016.12.28 麻倉もものMusic Rainbow 04
2016.12.29 豊崎愛生のMusic Rainbow 04
2016.12.29 寿美菜子のMusic Rainbow 04
2017.05.14 洲崎西 婚活パーティー2017~タラレバ言ってもいいじゃない!~
2017.06.11 林原めぐみのTokyo Boogie Night 1300回突破記念 公開録音
2017.12.27 豊崎愛生 Best concert tour 2017〜live your Best〜
2017.12.28 雨宮天ライブ2017 "Aggressive SKY" 東京公演 First Day
2017.12.29 雨宮天ライブ2017 "Aggressive SKY" 東京公演 Second Day
2018.09.15 雨宮天ライブツアー2018 "THE Only SKY" in Nakano DAY1
2018.09.16 雨宮天ライブツアー2018 "THE Only SKY" in Nakano DAY2
2018.11.23 CHiCO with HoneyWorks 秋のホールワンマンライブ FALL HALL - live at nakano - Day2
2019.08.22 CHiCO with HoneyWorks 5th Anniversary Hall Tour 2019 LiVE 5's ON!! 東京中野公演 DAY4
2019.09.15 Sphere 10th anniversary Live tour 2019 "A10tion!" 東京公演
2019.12.27 麻倉もも雨宮天夏川椎菜のMusic Rainbow 06 2回目
2019.12.28 寿美菜子高垣彩陽・CHiCOのMusic Rainbow 06 2回目
2019.12.29 戸松遥豊崎愛生・halcaのMusic Rainbow 06 2回目
2021.07.24 豊崎愛生 コンサート2021~Camel Back hall~ Day1
2022.06.29 夏川椎菜 2nd Live Tour 2022 MAKEOVER 追加公演Day2
2022.12.27 夏川椎菜 5th anniversary「夏川椎菜のザ・ベストナン」
2022.12.29 雨宮天のてくてく天ちゃん 公開収録 in中野サンプラザ ~ゆく天、くる天~ 夜の部

 

たくさんの思い出をくれて、そしてさよならの機会をくれて、本当にありがとうございました!おわり。

 

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余談:『Don't say "lazy"』について

 

ここからは余談なので本当に読まなくていいんですが、このブログは「せーはくの備忘録」なので、俺が俺の気持ちを忘れないように書き残しておきます。『Don't say "lazy"』についてです。読んだ人が嫌な気持ちになっても知らないかんな!

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↑これは橋本環奈。

 

アイドル育成ゲーム『IDOLY PRIDE』と『けいおん!』のコラボ開催と、それに付随して『Don't say "lazy"』のカバーver.配信決定が発表されたのが、イベント開催2週間前の4月21日でした。

「IDOLY PRIDE」でTVアニメ「けいおん!」とのコラボを4月28日から開催。第1期EDテーマ「Don’t say “lazy”」のカバーバージョンも追加

 

その後のラジオや配信番組のトークからして、サプライズゲストの相川さんも加えた3人で、5月4日にこの曲を披露するのは、半ば確定的な「匂わせ」として事前に予告されていたんですね。なので、相川さんが出てきたときは「やっぱやるんだな〜」という気持ちでした。

 

そもそもの話をすると、私は『けいおん!』が大好きで、『けいおん!』のおかげでアニメを知ったし、声優さんを知ったし、寿さんや豊崎さんを知ったし、ライブに行くようになりました。なので2016年末の「Music Rainbow 04」で豊崎さんが『けいおん!』の曲を歌ったときはめちゃくちゃ泣いた。

それに対して『IDOLY PRIDE』はそれほど知らないです。という立場だから……なのかもしれないけど。

 

 

今回の『Don't say "lazy"』は、本当に要らなかったと思うんですよね。

 

 

『IDOLY PRIDE』と『けいおん!』のコラボが発表されたときから、モヤモヤする気持ちはあったんだよな。

3ヶ月経てば消えていく作品が大半な中で、こうして10年以上の時を超えて同じ役を演じられるのは、きっと役者にとって幸せなことだと思うし、私個人としても唯ちゃんの声が聞けるのは本当に嬉しい。映画でアニメの物語としてはひと区切りついたとは言え、大学生編の漫画も刊行されたし、唯ちゃんは今もまだ生き続けているんだなと思えるので。

それに、『IDOLY PRIDE』に限らずソーシャルゲームは、他IPとのコラボを通してファン層を取り込みコンテンツ規模を維持していくものだと理解していますし、『けいおん!』をコラボ先に選んだのは、「キャストが被っている=認知してもらえたらゲームをプレイしてもらいやすい」という意味で、戦略的にめちゃくちゃ真っ当だと思うんですよね。

 

つまり、

  • けいおん!』のキャラに声を当てられるのは、役者にとってたぶん幸せだろうし、私にとっても嬉しい。
  • 『IDOLY PRIDE』と『けいおん!』がコラボするのは、戦略的に正しい。

 

というわけです。じゃあ幸せじゃん。とならないのが面倒で、私がモヤったのがまさにそこで。

戦略的……つまりビジネスのために、俺の好きな『けいおん!』や寿さんや豊崎さんが利用されているのが、シンプルに気に食わねえという、そういうことなんですよね。

作品だって声優だって、企業の収益のために活用されていくべきというのは理解しているんですよ。それだけ多くの人が関わるコンテンツなのだから、その人たちやその人の家族を食わせるだけのお金が必要です。

でも「部長〜。次のコラボどうします?」「うーん、そうだねェ……けいおん、やっちゃうか!w」「天才じゃないっすか、採用〜!あ、ビールくださーい!」という居酒屋テンション(全て想像です)で決められたコラボなのがムカつく。コンテンツの中身(物語、世界観)ではなく、ガワの部分を見て決定されたリスペクトの無い(ように思える)コラボなのがムカつく。

だからこれは、私のごく個人的な感情として、オタクのエゴとして、このコラボは気に食わねえなと。

 

と言っても私は『IDOLY PRIDE』のユーザーではないし、コラボが発表されたとしても『IDOLY PRIDE』をプレイすることは無いので(なんなら、本コラボによりその意志がより固くなったまである)、このコラボについては黙っていたんです。喜びたい人は喜べばいいし、そうではない私は静かにひとりで怒っていればいいので。

 

でも、今回のイベントは「さよなら中野サンプラザ音楽祭 寿美菜子&豊崎愛生」ですよ、って話です。『IDOLY PRIDE』も『けいおん!』も関係ないし。ふたりがお世話になった中野サンプラザに感謝を込めて、なかなか気軽に会えなかったこの3年間の思いを凝縮して届けた2時間10分の中で、この5分間だけがマジで謎だった。余計だった。邪魔だった。不純物だった。

百万歩譲って、寿美菜子&豊崎愛生として『けいおん!』の曲を歌うなら分かるんです。「本人にとって原点的な作品の曲を歌うことで、数々の経験をさせてくれて成長の場となった中野サンプラザに感謝を伝えようとしているんだな」と解釈できるので(先述の「Music Rainbow」はキャラソン歌うよ!の性質を持ったイベントでもあるので前提が異なります)。

でも、寿さんじゃなくて小美山愛だし。豊崎さんじゃなくて赤崎こころだし。相川さん(というか成宮すず)も出てくるし。キャラのセリフも言うし。曲が始まったら『IDOLY PRIDE』用のアレンジもされてるし。えっ、今日ってアイプラのイベントでしたっけ?いちばんリスペクトを感じたのは、唯ちゃんと同じくレスポールの色違いにわざわざ持ち替えて『Don't say "lazy"』を演奏した平井武士さんだったまであります。

 

(2023.5.15 6:12追記)

「匂わせ」があった時点でサプライズ登場は来るだろうと思ってて、実際出てきても上に書いたように「やっぱやるんだな〜」くらいしかなかったんですが、いざキャラで挨拶されて、歌われて……ってなると、それまで豊崎さんが作ってきた空気感や、これから寿さんがやるであろうパフォーマンスをぶち壊しているように私は思ってしまったんですよね。

なんで、「シークレットの警戒はしてた」「なので覚悟はしてたし、なんなら少し期待もあった」「けど蓋を開けたらガチの音楽ライブだったので、そこに水を差されたのが癪」という感じでしょうか。

(追記ここまで)

 

 

という気持ちを抱きながら、すっげぇ冷めた気持ちで『Don't say "lazy"』を眺めていました。大好きな曲が悲しい記憶で上書きされるの切ねぇ~!!