せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

20210906 coboreru新木場「溢れるほど感情的に」

参加しました。感想です。

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概要

  • 日時:2021年9月6日(月)18時開場/19時開演/20時終演
  • 会場:USEN STUDIO COAST新木場STUDIO COAST
  • 出演:coboreru(立花菜波 / 逢月ほの香 / 夜乃マユミ / 天羽こはく)
  • 形式:オールスタンディング、立ち位置指定なし、声出しNG

 

セットリスト

01. Flow in
02. シンチエーション
03. ぼんやり善がり
04. ハローグッバイ・ハロー
05. tilde
06. canning talk
07. 感覚BGM
08. 83 ※新曲
<アンコール>
09. 感覚BGM

 

感想

 

かつて、誰かが「アイドルは夢を売る存在だ」と言った。果たしてそうだろうか。「アイドル」の意味が多様化している2021年においても、その定義は正しいのだろうか。答えは私にはわからない。それでも。

 

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私はcoboreruのことをほとんど何も知らない。でも、夏の日のタイムラインに流れてきたこのふたつのツイートを読んで、行かねばならないと思った。

 

 

ワンマンライブで新木場のステージに立つことを夢見て活動してきたひとりのアイドルと、そんな彼女と共に活動するメンバーと、「メンバーの目標はcoboreruの目標です」とすぐさま会場を押さえた運営の姿を、この目で見たかった。知ってる知らないは問題ではなく、ただただ見たかった。夢が叶う尊い瞬間を目撃したかった。ただそれだけの理由で、平日の夜に新木場まで駆けつけた。

 

いつもの橋を渡って開演直前に到着したその会場は、ライブハウスなのにセンターステージがあって、名物であり要注意ポイントでもあるフロアの見切れエリアは予め立ち入り禁止になっていて、そうやって客のエリアがだいぶ縮小されているのにこれまで見たことがないほどガラガラで。でも、会場をぐるりと囲う真っ赤なスピーカーと、天井に輝く大きなミラーボールが、確かにここが新木場STUDIO COASTであることを教えてくれているようだった。

 


やがて照明が落ち、彼女の肉声から始まったそのライブは、本当に本当に神聖で。曲はひとつもわからないし、メンバーの顔や名前だって初めて知ったけど、4人にとって、またファンの皆さんにとってきっと特別な日であることが、そしてこの先の人生で振り返った時に「あの日は特別な日だったな」と思い返す日になるであろうことが伝わってきた。それに加えて、突き刺さってきたのは4人の感情だった。歌が正確だとかダンスが上手いとか曲が良いとかじゃない。コンセプトのとおり、溢れるほどの感情が突き刺さってきた。

外野のくせに失礼を承知で言ってしまうけど、新木場STUDIO COASTという会場は、集客力的にも、デビューから2週間というキャリア的にも、明らかにグループの身の丈に合っていないし、4人もそれを自覚しているのだと思う。それでも、駆けつけてくれたファンのために、覚悟を決めてくれた運営のために、自分自身に課せられたハードルを超えていくために、そして彼女の夢を叶えるために、1時間のステージを走り切った。その感情が、突き刺さってきた。

 


「自分はまだまだ未熟だけど、夢を語ってくれたおかげで新木場のステージに立てた」と話したメンバー。「私はこれまで自分を出さずに周りに合わせて生きてきたけど、夢は叶うってことを、夢を声に出すとこんなに素敵なことがあるってことを教えてもらったから、みんなも一緒に前を向いて生きていこう」と語りかけたメンバー。「初めてのアイドル活動でわからないことばかりだけど、アイドルを始めて良かった」と笑ったメンバー。

そして、そんな3人に支えられて、83人の観客に囲まれて、新木場のど真ん中、あのミラーボールの下で、真っ赤な髪の彼女は「夢が叶いました」と叫んだ。

 

間違いなく、最高の夜だった。

 

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かつて、誰かが「アイドルは夢を売る存在だ」と言った。果たしてそうだろうか。「アイドル」の意味が多様化している2021年においても、その定義は正しいのだろうか。答えは私にはわからない。それでも。

 

それでも、2021年9月6日の新木場STUDIO COASTに限って言えば、その定義は正しかった。否、それだけではなかった。彼女は、立花菜波は、「アイドルは夢を叶える存在」であることを証明した。

 

 

それでも夢って声に出せばほんまに叶うんやな

 

わたしがこのアイドル生活をかけて証明してあげる
わたしを見てて

 

これはちっぽけなひとりのアイドルが夢を叶えていくお話

 

 

このお話は、たぶんまだプロローグ。次の夢に向かって、立花さんはお話の続きを紡いでいくのでしょう。その道が、溢れるほどの幸福で彩られることを願いながら、また縁が交わったときに胸を張って会えるよう、私は私の人生を生きて、私の夢を叶えます。

強くあたたかく背中を押してくれて、夢を見せてくれて、そして夢を叶えてくれて、本当にありがとうございました。これからも応援しています。