2018年1月24日に発売された、UNISON SQUARE GARDENの7thフルアルバム『MODE MOOD MODE』。
それのディスクレビューをしようとしたんだけどそんなオサレなことはできないので、とりあえず感想を書きます。
今回のアルバムが発売されることが発表されたのが、年越しライブを終えた2018年1月1日のことでした。
2018年3月7日に発売されるニューシングルの告知を2017年12月7日に済ませていたのに、その前にリリースされるアルバムの告知は年明けまでしない。しかも、そのニューシングルはアルバムに収録しない。
さらにそれだけでなく、アルバムの曲順や曲名は雑誌や公式HPで公表しないから、CDショップで各々確認してこいと。
アルバム告知をギリギリまで遅らせた理由は、2017年10月から2018年1月28日まで開催するライブツアーに対して雑念を入れたくなかったから、らしい。ツアー後に発売することはできないのかと交渉したそうだけど、発売日はどうしても動かせなかったから、ならばこうしようと。
そして、2017年にシングルを4枚(配信含む)リリースしていて、これ以上シングル曲が入ってしまうとUSG的なアルバムのロマンが崩れてしまうから、3月リリースのニューシングルは入れない。
曲名や曲順を公表しないのは、「曲名からどんな曲なのか想像するのが楽しい」というファンの声を知り、「発売日にCDを手に取る人が一番いい思いをしてほしい」という思いから。
UNISON SQUARE GARDEN、めちゃくちゃロックだと思うんです。でも、UNISON SQUARE GARDENがやってる音楽はめちゃくちゃポップだと思うんです。
「ロックっていうのは音楽ジャンルとかギターが歪んでるかとかじゃなくて、スタンスの問題」というのは田淵さんがよく言っていることで、「思考回路はロック、音楽性はポップス」を体現してるのがUSGだと僕は思っています。
ロックな思考回路ってなんぞやというと、「これはダサいじゃん。こっちのほうがカッコいいじゃん」という選択を素でやれるところとか。「目立ちたくねぇ。曲つくるのとライブやるのだけでいい」「僕らと君らは永遠に他人同士」というスタンスを明言しちゃうところとか。それでいてめちゃくちゃファン思いだし、誠実だし、真摯だし。田淵ってほんとツンデレだよね。好き。
今更ながら収録曲をぺたり。
1.Own Civilization(nano-mile met)
2.Dizzy Trickster
3.オーケストラを観にいこう
5.静謐甘美秋暮抒情
6.Silent Libre Mirage
7.MIDNIGHT JUNGLE
8.フィクションフリーククライシス
10.夢が覚めたら(at that river)
11.10%roll,10%romance
12.君の瞳に恋してない
USGはポップスだと思っていたけど、収録されている12曲があっちこっち散らかってて、でもそのどれもがポップさに満ちていて、もうなんかわけわからんのです。間違いなくポップスなんだけど、ポップスってなんだよ…!となってしまう。
前作『Dr.Izzy』が個人的にパーフェクトで、これぞ俺の好きなUNISON SQUARE GARDENだ!と思って、今でも5日に1回は通しで聴いちゃうくらい大好きなアルバムだったんですね。
んで、今回のアルバムを一聴したとき、率直に「分からない」と感じました。いや大好きなんだけどね。怒涛のシングルリリースが続いた2017年を経てこりゃとんでもないアルバムができちゃうな~と思ってたら、いやいや何やってくれてんねん!と戸惑ってしまったんです。
でも結局いいアルバムだな~悔しいな~!と思って、雑誌を読んだら「前作であれだけ無骨なものをつくったぶん、ファンが少し動揺するぐらいのものができたら」「ギリギリ不安になるくらいのところを狙うのが楽しそう」と言っていて、してやられた~!と。もう思うツボってわけですよ、敵わねえ。
今回、2万字インタビューが複数誌に掲載されてたりしてめちゃくちゃ楽しかったけど、なんかアレだ、インタビューを深読みしちゃうとあんまり音楽を音楽として楽しめない感じもするので、雑誌についてはこれで終わり。
まとめると、このアルバムから感じられる果てしないポップさもそうだけど、「目立ちたくねぇ」とロックの道を進もうとするバンドのスタイルを、幸か不幸かバンドが生み出す音楽の持つポップさが脅かしている感じがたまらんですね。
ポップミュージックというものは、大衆が今好きなものじゃなくて、大衆を導いていけるものであってほしいなって思う。音楽の力って、なんか知んないけど、いつも生きてる毎日の感じと違うわ、とか、楽しい、とかってものだと思うんだけど、それはやっぱり音楽によって新しい何かを発見したからだと思うんですよね。今、世の中に存在している感情を歌うだとか、世の中のあるあるみたいなものをJ-POPと呼んだところで、リスナーの人たちは次のところへいけないんじゃないかと思うんですよ。もっとこうあったら面白いよね、とか、こういう表現はなかったんじゃないのっていうものがポップと呼ばれるようになったら、自分の中のポップと世の中が思ってるポップがリンクしてくるんじゃないかなと思うんです。
USGがポップスを志向することになったひとつの転換点とも言えるのが3rdアルバム『Populus Populus』だと思っていて、当時のインタビューで言っていたこの言葉を、今まさに実現しつつあるんじゃないかなって思います。
もう世間がUNISON SQUARE GARDENを放っておかない。大衆がUNISON SQUARE GARDENを見逃せない。だからタイアップもじゃんじゃか決まってしまうし、ライブツアーの規模も大きくなってしまう。みたいな。
今後USGがどんだけ売れっ子になるかは分からんけど、先日2万人近くを動員したらしい幕張公演でも相変わらずのUSGだったので、まぁ安心してるというか、信頼してるというか。だってUSGはロックバンドだからね(都合のいい時だけロック扱いするおじさん)。
疲れたので終わり。
久しぶりにブログ書いたら全然良い文章が書けなくて若干凹んでしまった~困った困った~!