せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

知りたいこと

こちらは、はてなブログ公式さんが「文学フリマ東京37」に参加するにあたって募集している特別お題、わたしがブログを書く理由について書いた記事です。

 

▼企画詳細

 

・・・・・以下 本文・・・・・

 

2023年9月21日。えらい粘り強かった残暑が和らぎはじめ、少しずつ秋の気配を感じてきた木曜日です。

 

どうも、せーはくと申します。

自己紹介するよ。好きなものは阪神タイガースとラーメン。尊敬している人は両親と妻と豊崎愛生さんと雨宮天さんと田淵智也さん。憧れたいけど背中が遠くてムカつく人は星野源。そんな28歳でございます。

 

テーマが「わたしがブログを書く理由」ということで。うーん。なんでなんだろうね。ここ20年くらい、ルーティンワークのようにブログと共に生きてきてしまったので、あんまり深く考えたこともなかったな。とりあえず書きながら思考を巡らすか。

 

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そういえば、ブログを始めたきっかけは、小学生のときに出会ったクラスメイトの女の子でしたね。懐かしい。彼女は『BLEACH』の市丸ギンに対してデカめの感情を持っていて、そんな熱をブログに書き殴っていました。それが面白くて、理解したくて、私もブログを始めたというわけです。

彼女は元気だろうか。生きているといろんなことがあるけど、変わらず楽しく暮らしていてほしいもんです。

 

いろんなことと言えば、今年の阪神タイガースもそうでした。

チームスローガンとして「A.R.E」を掲げて始まった2023シーズン。序盤を振り返る上で欠かせないのは、やはり彗星のごとく現れた男・村上頌樹でしょうか。初先発のマウンドで7回パーフェクト、さらに翌週は完封勝利。その先も着実に勝ち星を重ね、いまやMVPも獲得しそうな成績です。

7月には悲しい別れもありました。球団OBである横田慎太郎さんの逝去です。しかし猛虎戦士の歩みは止まりません。特に、横田さんの同期入団である3人の覚悟は鬼気迫るものがありました。シーズン途中で守護神に配置転換され大活躍した岩崎。中継ぎとして懸命に腕を振り続けた岩貞。不振や怪我に苦しみながらも正捕手として存在感を示した梅野。そんな中堅トリオがチームに与えた影響は、数字や成績に表れないものがあったように思います。

そして迎えたシーズン終盤。一致団結し夏の長期ロードを乗り切って迎えた9月でも、アレに向かう猛虎の勢いは止まりません。月間負けなし、脅威の11連勝。それと同時に、18年ぶり6度目となる優勝を球団史上最速で果たしました。

 

とまぁ、そんなことは調べりゃすぐに出てきます。改めて私が書く必要もなく、新聞やインターネットに丁寧にまとまっているわけですからね。

そう。調べればあるんだよな。ここに「わたしがブログを書く理由」のヒントが眠っているような気がしています。つまり、ライターや記者ではなく、私だけに書けることがある……という可能性です。

 

私が阪神タイガースを応援しはじめてすぐに優勝したこと。それからずっと優勝できなくて不思議に思っていたこと。でも応援しているだけで楽しかったこと。そんな気持ちが、2017年に甲子園歴史館を見学して変わったこと。見学したその日に見た、当時のルーキー・大山悠輔のホームランがあまりにも美しかったこと。それから6年経ち、大山が「四番ファースト」として優勝に貢献してくれて、この上なく誇らしいこと。

これらは「私だけにとっての阪神タイガース」であり、私の人生の一部です。私はそれを残したくて、そしてたまには振り返りたくて、ブログを書いているのかもしれません。

だから、広めたいとかバズりたいとか売れたいとかの気持ちはあんまり無くて。いや、ゼロじゃ……ないけど……。なぜなら自己評価が青天井の承認欲求怪人なので……。でも、1万人からの「いいね」よりも、気の合う誰かからの「良かったよ」のほうが嬉しいのは本当です。強がりじゃないからね。心の中の青い鳥に誓って、マジです。嗚呼、聞こえる、聞こえるぜ。「それがいちばんや!」「カッコええやんか!」「家系らーめんは荻窪の麺家 龍がオススメやで!」と呟く鳥たちのさえずりが……!

 

阪神タイガースのアレコレ以外にも、忘れたくないことはたくさんあります。初めてのライブで浴びた、3万人による「大好きをありがとう」の合唱とか。転職時、お世話になった上司に「最後っぽくない雰囲気っすね」と言ったら「最後じゃねえだろ」と小突かれ、握手を交わした映画みたいな渋谷の夜とか。妻への感情を表す言葉が見つからず不安になった25時に「私のことがだいじ、ってことなんじゃない?」と教えられ、心がほどけて流した涙とか。

そういったひとつひとつの日常や非日常が、そしてそこで受け取った感情が、今の私をかたちづくっています。私はそれを残したい。インターネットの海に漂わせたい。

言語化することで失われるきらめきがあるのかもしれないけど、急にはてなブログがサービス終了してしまうかもしれないけど(しないでね)(大好きなのは)(はてなブログ)(オレモー!)、私は書きつづけるのです。

そうすれば、振り返ったときに「受け取りたての感情」にたどり着けるような気がするから。そうすれば、「それを受け取った私自身」について思いを馳せられるから。そうすれば、「これからの私」を楽しみに待つことができるから。

 

だから私は、私を知るために、私のことをブログに書きます。これが、「わたしがブログを書く理由」です。

 

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2023年9月25日。あっという間に気温が下がり、今シーズンいちばんの涼しさになった月曜日です。

4日間にわたって頂いたテーマと向き合うことで、私は私を知ることができました。風呂に入ってちゃんと寝て、また明日もブログを書こう。おわり。