- 七夕ですね。神戸2日間、楽しかったです。
- 神戸に来ているというのに阪神の試合がことごとくナイトゲームだったので甲子園には行けなかったのだが、広島相手に3連勝できたのは嬉しい。
- そして甲子園に行けない分、ではないが、今日の昼にとある舞台を観てきた。
- AiiA2.5シアター神戸で上演されていた、「魍魎の匣」という作品である。
- https://www.nelke.co.jp/stage/mouryou/
- 原作は京極夏彦の小説で、先月に東京公演があり、今日が神戸公演の千穐楽だった。
- ななしさんという、とあるナイスブロガーの記事でこの作品の存在を知ったのだが、ちょうど舞台欲が高まっていたのと、時間的にも地理的にもTrySailと回せる感じだったので、予定を詰め込んでみた次第である。
- 一応、そのななしさんの記事を貼っておく。もう公演は終わっているのでアレかもしれないが。
- https://note.mu/morirenmoriren/n/nb01ad14cc4ba
- んで、肝心の内容はというと、まァ〜〜〜〜〜〜〜とんでもなかった。
- 2時間10分、常に殴られ続けていた感じがする。とても疲れた。
- 私は原作小説を読んでいないが、原作の全てを詰め込むためか、無駄がひとつもなかった。
- 特にそれは会話の速度や密度に表れていた。そもそもセリフ量がエグいし、言葉遣いも難しいし、なのに観測できる範囲内では一度たりとも噛んだり飛んだりしなかった。
- そして、複数の事件が立体的に交差する謎解きというテーマ上、何かを伝え漏れてはならないわけだが(もし漏れてしまったら結末のカタルシスが無くなってしまう)、未読勢の私にでもカタルシスを感じることができた。
- それは、その速度の中でただセリフを読み上げるだけでなく、説得力のある言葉として届け切った演者スキルもさることながら、演出によるところもかなりあったと思う。
- 例えば、難しい単語が出てきたときには背景の壁に文字を投影して補助をしていた。
- それは極めて小説的な表現方法であったが、それとは反対に、会話や文では想像しにくいようなことを舞台装置で説明させたりもしていた。
- その舞台装置についても、出演者が時に裏方として美術を動かすなど、とにかくシームレスにセットが転換していた。
- 息つく暇もない、とはまさにこのことだと感じた。
- すごいもんを見た。私の感想を読んでも全く伝わらないと思うが、すごかった。終演後、しばらく鳥肌が止まらなかったほどである。
- 私はこれまでに何度も素敵な舞台を観てきたが、ここまで無茶苦茶で、暴力的で、なのに丁寧で、繊細で、緻密な舞台は初めて観た。感動した、とか、心が震えた、とかのヌルい表現では全く足りない。脳と心がが殴られ続けた。そんな130分間だった。
- いくつかのカーテンコールを経て、最終的にはスタンディングオベーションが起こったのだが、主役の橘ケンチさんが「これからも、私たち出演者一同はスキルを磨いていきます」みたいなことを仰っていた。笑顔を浮かべることもなく、堂々と、訥々と言い切った。
- プロだと思った。これがステージに立つ人間の姿だと思った。
- 良い1日でした。