せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

「好き」、ということ

僕は、雨宮天さんが好きです。

 

 

今更何言ってんねんと思われるかもしれないので分かりやすく言うと、僕は「雨宮天」さんが好きです。

 

つまり、雨宮天さんが見せてくれる雨宮天さんが好きなのだ。

 

そもそも見えない姿なんて分からないし、分かろうとするのもなんだか違うなぁと個人的には思うし、見せてくれる範囲でどう思うかっていうことは全部の事柄に共通するものではあると思うのだけど、とにかく僕は雨宮さんが好きだ。

だから、僕の前に雨宮天として存在している誰かさんが裏でどんなことやってるかなんてどうでもいいし(つっても犯罪とかしてたらちょっと悲しい)、過去にどんな学生生活を送っていたかとかも興味ない。

知っちゃったら多分忘れらんないけど。

 

一方で、雨宮さんは役者として、歌手として、表現者として僕の前に現れていて、きっとその表現の根幹を成す部分には、家族だったり、過去の経験だったり、学生生活だったり、まぁなんか色々なことがきっと影響を与えているんだろうというのは否定できない。

だから、表現者としての雨宮さんを深く解釈しようとするならば、その色々なことを知るという過程は多分避けて通れないことなのだと思う。

 

だけど、前述の通りこちらから詮索することに興味は無いし、そもそも雨宮さんも自身のそういったことを敢えて話さないようにしているのかなとも感じていたし、きっと話したい時が来たら雨宮さんが選んだ場所で、雨宮さんが選んだ言葉で伝えてくれるのだろうと思っていた。

 

だから、先日のリサイタルはとても嬉しかった。

 

別に天上人のように崇め奉っているわけでもなければ、アイドルはトイレ行かない論者的な感じでもないけど、あまりにもあっさりと曲との出会いだとか、なんかちょっと生活感あることだとかを話してくれたから、嬉しかった。

何様だよと言ってもらって構わないけど、「信頼してくれてるのかな」とも思って、共に歩んできた年月と、そこで重ねてきた思い出を、改めて誇らしく思った。

 

 

3rdアルバムリリースのタイミングだったかな、愛生ちゃんが「今日のaki pod」というミニ連載をブログで実施していたことがあって。

それは単に、「曲名」「アーティスト」のふたつを、ブログの最後にぽろっと書いてくれるという、ただそれだけものだったのだけど、そういったちょっとした情報から想像を広げられたし、この曲もきっと愛生ちゃんに寄り添ってきた音楽なんだろうなぁと感じながら、その曲を聴くのが楽しかった。

 

愛生ちゃんは、ほわーんとしているようで、一般人の豊崎さんと芸能人の愛生ちゃんの線引がとても上手な方だと思っていて、自身の内側を曝け出すことは実は少ない。

ファンを信頼してない、というわけではないんだけど。

まぁ、愛生ちゃんのスタンスについては、「『猫をかぶる』と『媚びる』は紙一重だけど違うと思うの。誰だって良く思われたいんだよ」という言葉によく現れていると思うのでこれでおしまい。

 

 

話を雨宮さんに戻す。

 

えっと、リサイタルの話だ。

雨宮さんが話してくれたことの中で、特に印象に残っている言葉が3つある。

 

ひとつは、岩崎宏美さんについて「20歳の頃から大人っぽくて、余裕があって、かっこよくて」と言っていたこと。

 

70~80年代の曲が好き、というのは前からちらほら言っていて、カバーで披露する機会もそれなりにあったけど、何故好きなんだろう…というのはずっと疑問に思っていた。

だけど、この言葉を聞いて、現在の自分よりも歳下の人がこんなにも大人びているっていうところに衝撃を受けて、憧れて、好きになって…っていう、純粋な少女雨宮天ちゃんの姿を垣間見たような気がして、とても微笑ましかった。

時たま口に出す「私の理想」という言葉も、今まで具体的にその完成形を明言したことはないけど、きっとそういう要素も含んでいる…のかもしれないね。

 

ふたつめは、「今日歌うような曲たちが、自分の音楽活動にも影響を与えている」と言っていたこと。

 

音楽というものは、人生を彩るだけでなく、価値観を豊かにするものだと思っていて。

少なくとも僕にとってはそういう存在だし、僕の好きな音楽を鳴らすロックバンドは僕の好きな考え方をしていたりする(卵が先か鶏が先か、ではあるんだけど)。

なので、純粋少女雨宮天ちゃんがすくすくと育って、めでたく表現者になって、自分に求められていること・自分のやりたいことをいい塩梅でやれるようになってきて、その結果自分の好きな雰囲気の曲が歌えるっていうのは、とても幸せなことだと思う。

これまでもそういう幸せは噛み締めていたつもりだけど、今回のリサイタルでその気持ちがより一層大きくなったし、その意味がより深いものになった気がした。

 

みっつめは、「最近落ち込むこともあったけど、『私、もっと頑張りたいな』って思いました」と言っていたこと。

 

そんなリサイタルをやってきて、最後の挨拶がコレ。

伝えたいことは伝える、けど隠したいところは隠す、ただ、私は頑張ります。

そういう誓い。 

 

 

やっぱり僕は、雨宮天さんが好きです。