せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

20221227

  • 火曜。仕事。
  • ぬるぬるとやっつけて、17時過ぎに中野に向かう。「LAWSON premium event 夏川椎菜 5th anniversary 『夏川椎菜のザ・ベストナン』」です。

 

■LAWSON premium event 夏川椎菜 5th anniversary 「夏川椎菜のザ・ベストナン」 | TrySail Portal Square (トライセイルポータルスクエア)

  • 日程:2022/12/27(火)
  • 時間:開演18:02/終演19:45 ※アンコール無し
  • 出演:夏川椎菜(Vo.)、山本陽介(Gt.)、川口圭太(Gt.)、伊藤千明(Ba.)、かどしゅんたろう(Dr.)
  • セトリ↓

 

  • 良いイベントでしたね。楽しかった。
  • 9月に実施していたアンケート企画「アーティストデビュー5周年を迎えた夏川椎菜に今歌ってほしい曲は?」から繋がるイベントで、10位から順番にカウントダウンしていき、2〜3曲ずつまとめて披露する趣旨の催しでした。

夏川椎菜 アーティストデビュー5周年企画 「ヒヨコ群緊急集合!夏川椎菜に今歌ってほしい楽曲」ご協力のお願い | TrySail Portal Square (トライセイルポータルスクエア)

  • イベントタイトルのとおり、某ランキング番組をしっかりきっちりばっこりがっつりリスペクトしたような演出がちらほらあったり、普段のライブとは違う空気感の中で進んでいったのが新鮮でしたね。
  • ランク外ではあるが組み込まれた曲たち、イベント専用のアレンジでパフォーマンスされており、流石ただじゃ終わらない夏川陣営という感じで非常に楽しかった。
  • 私が聞きたかった曲たちはまぁまぁ入っていて、まぁまぁ満足といったところ。

  • セトリについては特にない。そもそも思ったよりしっかりとパクって……オマージュしていたのと、ライブというよりかは振り返りイベントみたいな温度感だったので、期待していたところが違ったみたいなところはある。拍子抜けや失望というより、なるほどそういうことなのね、という納得感が大きいですね。

  • そして、夏川さんも言っていたけど、順位どおりに披露した結果、普段では絶対に考えられないようなセトリに仕上がっていたので、これはこれで楽しい仕掛けですねとなったり。それにしても『アンチテーゼ』のランク外は驚いたが…………。

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  • その『アンチテーゼ』、イベントのオープニングナンバーとしてなんとか救済されたわけですが、ファンクアレンジということでバンド隊のノリがだいぶ原曲とは違っていた。私は脳筋野郎なので、こういう突発的なアレンジをされるとイマイチ乗りきれないところがあります。悔しい……俺もファンキーになりたかった……。
  • まぁ丁寧に振り返ってると2023年になるので割愛する。ステージセットで言うと、中央の奥(2階部分にあたるところ)に、つるんとした板状のものが数枚あるのが特徴的でしたね。
  • 最初それを見た時は「昭和の歌番組らしさを演出するための装置かな」くらいにしか思っていなかったのですが、ライブが始まるとハッとしました。ファンの持つサイリウムがその板に反射しているんですよね。
  • つまり、こちらから見ると、夏川さんはファンの光を背に受けて、ファンに向かってパフォーマンスしているわけです。
  • 私にはそれが、5年間で積み上げてきた確かな自信を持った上で、目の前にいるファンに歌を届けているように感じられて、めちゃくちゃグッときてしまった。なんたる演出の妙……!
  • そんな演出もありながらイベントは進んだわけですが、特に第2位『ファーストプロット』から第1位『パレイド』の流れは大変素晴らしかったですね。
  • まぁ上位2曲はこれだろうなとは思っており、その通りだったのでそこに対してはフムフムというくらいなのだけど、この結果はつまり、伝説の1stアルバム(誇張表現ではない)である『ログライン』や、伝説の1stライブ(誇張表現ではない)である『プロットポイント』のキーとなったこの2曲が、それだけ夏川さんの音楽活動にとって重要である(それ故に「5周年の今歌ってほしい」)ということを、多くの人が共通認識としてもっている、ということの証明です。それだけ、あのアルバムとあのライブは凄まじかった。
  • ただ、今回は、その1stライブとは曲順が違った。
  • 1stライブでは、夏川さんが「夏川椎菜」として歩み出すまでの人生を描いた物語(=ログライン)の終着点に位置付けられた『パレイド』と、その直後に披露された『ファーストプロット』。
  • それに対して今回は、第2位『ファーストプロット』の直後に、第1位『パレイド』。ちょうどひっくり返っているんですよね。
  • 少し話をずらします。最近知った好きな言葉に「歌はイントロ」というものがあります。歌というものは、歌そのものだけではなくて、その歌が始まるまでのMCや流れや、もっというとそれまでの人生の全てがイントロで、そのイントロが深ければ深いほど歌が輝きを増すよ、という意味です。
  • 例えば、単純に歌の技術やステージングで優れているAさんの歌と、音楽的には優れていないかもしれないが何か深みのある人生を生きていたり、オーディエンスとしてそんな人生と重なりあっていたりするBさんの歌では、Bさんのほうが輝いてみえるわけです。具体的に言うと、私にとっては髭男の歌よりも豊崎さんの歌の方が輝いてみえるということです。
  • そういう意味で、今回の『ファーストプロット』のイントロは素晴らしかった。これまでの夏川さんを形作ってきた曲を、ファンの後押し(=反射板の演出)を受けながら披露してきて、そして、そんな曲たちを彷彿とさせるようなMVをスクリーンに投影しながら歌う『ファーストプロット』。

やっと胸張って伝えるんだ これが僕のヒストリー

  • これ以上なく完璧なイントロだったと思います。
  • そして、そう思っていたその曲は、『パレイド』のイントロになっていた。本当にお手上げだった。

ほんとはいつだって泣けちゃうんだ まだ強くないんだ

ーーファーストプロット

ああうまく笑えてたら 今の僕はこんなじゃない

だから身の丈に合わない きれいごとを くちずさむのかな

ーーパレイド

  • 正直、もう今の夏川さんには『パレイド』は不要だと思っていた。だってもう夏川さんは手に入れてしまっているから。うまく笑えて、強くて、他人のことも救える歌を歌えているから。
  • だから今回、きっと1位になるであろうこの曲を聴くのが少し怖くて、すごく薄い『パレイド』になっちゃうのでは、と思うと聴きたくないな、という気持ちも正直あった。
  • TrySailの千葉公演で歌った初披露のときの悲痛さとか、ソロ1stライブでの物語性に勝るものはもうないだろうと。これ以上『パレイド』を歌っても超えることはないだろうと。そう思っていたんですね。
  • でも、違った。最高のイントロを携えた『ファーストプロット』を経て、そんな『ファーストプロット』すらもイントロにしてみせるほどに、『パレイド』はやっぱり強かった。
  • 夏川さんの強さとは、即ち「足りなさを自覚していること」。末恐ろしい。ここまでやれる人が、まだ足りないと思っているのか。舐めてた。どれほど貪欲なのか、どれほど自分の可能性を信じているのか、どれほど熱い人なのか。
  • とてつもない『パレイド』だった。少なくとも、私はそう思った。『パレイド』のイントロから、そういう輝きを受け取ったのです。
  • だから、良いイベントだったなと思う。そして多分、これからも夏川さんの活動を応援するごとにそう思うのでしょう。そういうイントロを奏で続ける才能がある表現者なんだろうな。敵わないですね。

 

  • とか書いてたら25時半近くになっていた。寝る。明日は大掃除します。