せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

20220106

  • 木曜。出社。寒い。
  • 21時半、退勤。寒い。
  • 寒すぎるだろ。雪て。それなりに積もっとるし。ここは東京都渋谷区ぞ???
  • そんなんどうでもいい。大切なお知らせがある。
  • 結論から言います。聴いてください。

  • 聴いてください。頼む。これが俺が今いちばんあなたに聴いてほしい1枚です。
  • おい、ほかでもないあんたに話しかけてんだ。世の中に広まれとか世界中の電波で流れてほしいとか少しも思っちゃいないが、俺のことを知っていて、少しだけ好いてくれていて、こんな何でもない日記を覗きにきてくれるあんたに話しかけてんだよ、俺は。
  • 11月の発売以降、俺の人生を揺さぶり続けている1枚です。うるさくて、ポップで、あたたかくて、ロマンに満ちている、ロックンロールな1枚です。
  • 『ギター』を好きになれとは言わない。ハンブレッダーズにハマれとも言わない。けど、俺が惚れたもののほんの一部分でもいいから、あんたには知ってほしいんだよ……頼むて……3曲目まででもいいから……。

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  • で、寒い。なんなら少し道路が凍っている。いつもより狭い歩幅で、いつもより低い重心で歩くとき、思い出す日がある。
  • 8年前の1月、大学のセンター試験(いまは名前が変わってるんだっけ)当日、私はひとつも緊張せずに試験会場にいた。理由は単純で、勉強をほぼしていなかったからだった。
  • と言ってもゼロではなかった。その年の箱根駅伝を見ながら、持病である痔の悪化を自覚した私は、なんとかその痛みを軽減したい思いで、健康男になるための運動を始めた。その一環である散歩コースにたまたま塾があったので、まぁ通うかぁつって、2週間くらい勉強していた。なので、ゼロではなかった。
  • そんな中途半端な全能感めいた何かに背中を押され尻を叩かれた私と似たようなヤツが、なんともうひとりいた。クラスメイトのA君。
  • 彼と私は学年でも有数の馬鹿だった。テストは学年で下から10番以内をキープ。赤点も珍しくなかった。の割に、態度と声だけはデカかった。
  • そんな私たちでも、さすがにセンター試験の会場では、試験中は鉛筆を握りしめていた。と思っただろ。否。彼のことはわからないが、少なくとも私は、鉛筆を「転がしていた」。
  • センター試験マークシート方式で行われるため、4択ほどの選択肢が与えられる。つまり、転がせば、当たる。
  • 苦手教科の世界史の時間。開始の合図と共に、問題が書かれた紙を素早く裏返す。右手にシャーペンを、左手には六角くん4号(家の中にある全ての鉛筆で、前年度のセンター試験を戦った結果、最も正答率が高かった最強の鉛筆です)を。
  • 1問目、わかる。2問目、わかる。3問目、わからない。でも大丈夫。六角くん4号を神聖な面持ちで転がす。試験会場に響き渡る乾いた音。出た数字を無心でマーク。次。わからない。転がす。マーク。次、わかる。次、わからない。転がす。次。次……。
  • そうして試験が終わり、昼休憩。昼休憩中も、私たちは鉛筆を握りしめていた。否。ここでも私たちは、転がしていた。転がしては「落ちた〜!」と叫んでいた。
  • それだけではなかった。階段でつまづいては「コケた〜!」。綺麗に磨かれた床を往来しては「滑った〜!」。センター試験会場の真ん中で、私たちは無敵だった。
  • そんな日のことを、いつもより狭い歩幅で、いつもより低い重心で歩くときに思い出す。
  • ちなみに、世界史の点数は100点満点中68点だった。そして、六角くん4号の正答率はちょうど50%だった。

 

  • 終わります。明日も働くぞ!