せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

TrySail 4thアルバム『Re Bon Voyage』感想 #TrySail_リボン

2021年9月15日に発売された、TrySail麻倉もも雨宮天夏川椎菜)の4thアルバム『Re Bon Voyage』の感想です。

 

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関連サイト

 

商品概要

■9/15発売 TrySail 4th アルバム「Re Bon Voyage」 | TrySail Portal Square (トライセイルポータルスクエア)

 

サブスクなど配信サイト一覧

Re Bon Voyage

 

リード曲のMV

youtu.be

 

アルバムツアーの概要

■LAWSON presents TrySail Live Tour 2021 "Re Bon Voyage" | TrySail Portal Square (トライセイルポータルスクエア)

 

収録曲・クレジット

 

01.Re Bon Voyage(新曲)
作詞:大森祥子/作曲:浅利進吾/編曲:川崎智哉
Rec Engineer:中里隆夫
Mix Engineer:公文英輔
Director:角田崇徳・小林タイチ

02.Favorite Days(新曲)
作詞:徳丸凌/作曲:徳丸凌/編曲:川島章裕
Rec Engineer:中里隆夫
Mix Engineer:公文英輔
Director:角田崇徳・小林タイチ

03.この幸せが夢じゃないなら(10thSG・CW)
作詞:前田甘露/作曲:中野ゆう/編曲:
中野ゆう
Rec Engineer:公文英輔
Mix Engineer:公文英輔
Director:村上隆一(Rec)・KOUTAPAI(Vocal)

04.ごまかし(11thSG)
作詞:渡辺翔/作曲:渡辺翔/編曲:湯浅篤
Rec Engineer:公文英輔
Mix Engineer:公文英輔
Director:村上隆

05.モノラル(新曲)
作詞:松井洋平/作曲:山崎真吾/編曲:松田彬人
Rec Engineer:諏訪桂輔(Vocal)・唐澤千文(Inst)
Mix Engineer:公文英輔
Director:保坂拓也

06.誰が為に愛は鳴る(12thSG) 
作詞:上坂梨紗/作曲:川崎智哉/編曲:川崎智哉
Rec Engineer:中里隆夫
Mix Engineer:公文英輔
Director:角田崇徳・小林タイチ

07.うつろい(11thSG)
作詞:渡辺翔/作曲:渡辺翔/編曲:伊藤翼
Rec Engineer:金井亮(Inst)・小坂剛正・公文英輔
Mix Engineer:公文英輔
Director:村上隆一(Rec)

08.マイハートリバイバル(新曲)
作詞:真崎エリカ/作曲:大熊淳生/編曲:大熊淳生
Rec Engineer:森田信之(Vocal)
Mix Engineer:公文英輔
Director:保坂拓也

09.Good Luck Darling(新曲)
作詞:渡瀬マキ/作曲:川崎智哉/編曲:川崎智哉
Rec Engineer:中里隆夫
Mix Engineer:公文英輔
Director:角田崇徳・小林タイチ

10.Free Turn(10thSG)
作詞:出口遼/作曲:出口遼/編曲:飯田涼太
Rec Engineer:小坂剛正・川島尚己
Mix Engineer:公文英輔
Director:村上隆一(Rec)・KOUTAPAI(Vocal)

11.ひだまりの場所(12thSG・CW)
作詞:徳丸凌/作曲:徳丸凌/編曲:川島章裕
Rec Engineer:中里隆夫
Mix Engineer:公文英輔
Director:角田崇徳・小林タイチ

12.君となら(新曲)
作詞:西野蒟蒻/作曲:塩野海/編曲:塩野海
Rec Engineer:中里隆夫
Mix Engineer:公文英輔
Director:角田崇徳・小林タイチ


Mastering Engineer:茅根裕司

総尺:51分24秒

 

感想

 

結論から言ってしまうと、2021年のポップスを代表するレベルでめちゃくちゃ良いアルバムです。絶対に聴いてください。

 

基本的には上述のとおりポップな感じでまとめられていて、2013~15年頃に流行ったような、いわゆる「THE女性声優のアルバム」という印象を受けました。その土台がありつつ、クオリティ(楽曲・歌唱力ともに)がとても高い上に、きちんとフックになる曲順(違和感とも言えますが)に並べられていて、50分超えのアルバムとは思えないほど飽きない仕上がりになっています。

そして特筆すべき点として、1枚を通して「別れ」「選択」「今だけの時間」「ここだけの場所」といった、刹那的なニュアンスが顔を覗かせているんですよね。そこに味わいや切なさがあって、ただのポップアルバムではなく、現代的・多面的な1枚として完成度がめちゃ高いです。

 

 

ここからはちょいと細かく区切っていきます。

 

まず、01『Re Bon Voyage』~02『Favorite Days』でポップなサウンドをガンガン鳴らしてくれて、これは勝てるアルバムだと確信しました。2017年夏に歴史的名曲『adrenaline!!!』を引っ提げて開催した、あのアリーナライブの頃の勢いを思い出しちゃったもんね。そのくらい「オッ、これは本気ですね……!」というのを強く感じた、というのが第一印象でした。

 

からの3曲目が『この幸せが夢じゃないなら』なのが意外で。というのも、TrySailの最新ライブでは、この曲がアンコールの最後に披露されたんですよね。そういったバックボーンだけでなく、歌詞からもどことなく終わりを連想させるような曲を3曲目に持ってくるとはユニークなことするなぁと思っているところに、静かな歌い出しから04『ごまかし』が現れ、急な温度の変化に正直ちょっと戸惑ってしまいました。

そして、畳み掛けるように重たい楽曲である05『モノラル』がやってきます。これ、別れ(具体的には破局。もっと言うと死別?)について歌っているんですが、声のトーンは読み聞かせっぽいというか、悲壮感はないんですよね。それがかえって物悲しさを伝えてくれるようで、このアプローチは『あかね色』(5年前の1stアルバム収録曲)とはまた違った手法だなぁと思ったり。

で、続く6曲目に、このアルバムの中で最も激しいロック曲である『誰が為に愛は鳴る』。からの07『うつろい』は、04『ごまかし』と同じく「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」の主題歌として使用されている、世界観強めな曲です。

この03~07あたりの流れ、絶対にライブじゃやらないだろという感じが本当に面白いですよね。03→05→04→07→06ならわかるんですよ。でも、マギレコの2曲で「別れ」「叫び」をサンドするという。この「叫び」って、どうしようもなく訪れてしまった別れに対する反発感情なんですかね。私は認めないぞ、過去形にしてたまるか、みたいな。または、04のテーマ「別れ」と、05のサビ「愛/夢が永久に続くように」の接続なのかしら。

という答えのない推論は置いといて。この03~07から、単に相性の良い曲を順番に並べるんじゃなくて、アルバムを1枚の作品として完成させたい、みたいな拘りを感じました。アルバムなんてロマン詰め込んでナンボですからね。そして、そのロマンを妄想して笑顔になっちゃうのがオタクですからね。

 

そして仕切り直しの08『マイハートリバイバル』が大名曲。歌の中での台詞回しで遊べるのは声優ならではというか、演じることが根底にある職業の人じゃないとできないことだと思うので、声優アーティストとしての意義という意味でも1枚に1曲はこういうの欲しくなっちゃう。間奏でベース(二家本さん)が暴れていたので絶対にリズム隊の人が編曲しとるやろと思って調べたら、案の定、大熊さんはドラマーだった。やっぱリズム隊の曲は細胞が喜んじゃう。この曲、生バンドで演奏する機会がないとしたらそれは有罪なので必ず生バンを検討するように(何様?)。

んで、09『Good Luck Darling』も大名曲ですね。作詞はまさかのLINDBERGから渡瀬マキ御大。調べたらディレクターの角田さんがLINDBERGとも仕事してるらしいし、角田さん繋がりでの提供なのかもしれないですね。等身大なメロと真っ直ぐ飛び込んでくるワードの相性がとても良い1曲です。

 

そんな最高of最高な2曲を並べることで、01『Re Bon Voyage』〜02『Favorite Days』の頃のポップな気持ちを取り戻してからだと、飛び込んでくる10『Free Turn』がめちゃくちゃ晴れやかに聞こえてしまうの、アルバムならではという感じがしますね。涙腺大決壊必死のアニメーション映画『ハイスクール・フリート』の主題歌だというのに……笑顔で聞けてしまう!アルバムマジック!それにしてもやっぱり良い曲!壮大!!映画って感じ!

 

みたいな感じでやられた~!って天を仰いでいるうちに11『ひだまりの場所』と12『君となら』が綺麗に締めくくってくれるんですわ。美しいかよ。

 

***

 

ここまでを発売直後に書き上げていて、あとは1st〜3rdのアルバムを引っ張り出しつつスタッフクレジットについて解釈を垂れるパートを書くのみだったんだけど、ツアーに参加する日が来てしまったのでタイムアップ。

だが、半端でも上げないよりは上げた方がマシ!なので上げる!

 

東京公演、楽しむぞ〜〜〜!!!