せーはくの備忘録

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『リズと青い鳥』の話をします

「赤坂サカス」や「王政復古の大号令」、さらには「東海道中膝栗毛」なんかのいわゆる「口に出したくなる言葉」的なのが結構好きです。

言葉が音楽っぽいというか、なんていうんですかね、リズミカルというかですね。いい言葉だな~って感じするじゃん。

どっかの前髪の長いロックバンドおじさんが歌詞を書く時に念頭に置いているのが「メロディラインに失礼のない言葉を並べる」ことだそうで、あぁ~だからこの人の歌詞が好きなんだな~って思ったりします。

ちなみにワイ的ネーミングセンス最優秀賞は「ソラシドエア」です。他にも気持ちいいやつあったら教えてください。

 

 

 

 

リズと青い鳥』の話です。

 

2018年4月21日公開。『響け!ユーフォニアム』シリーズのスピンオフという位置付けで合ってるよな。

 

と若干不安そうなのが何故かと言うと、僕、ユーフォそこまでちゃんと見てないんです。

 

もちろんTVの1期と2期は見たけどリアルタイムでさーっと見ただけだし、映画は1期総集編は見てなくて2期のやつだけだし。原作も読んでないし。

登場キャラの認識も、「黄前久美子黒沢ともよの演技がヤバい奴」「高坂麗奈=歩く"特別"」くらいだし。

今回のメインキャラについてはもっと酷くて、鎧塚みぞれはオーボエの喋らない奴、傘木希美は一旦辞めて帰ってきた奴、だもん。マジで怒られちゃうなコレ。

 

 

ただ、今回の「リズと青い鳥」は山田尚子氏が監督を務められるとのことで、これは観なきゃいかんと思いました。

で、キービジュアルが公開されて、そこに「ユーフォっぽさ」がいっこもなくて、出た~!山田尚子全開のやつだ~!!!と思って、そこから一切の情報を入れないようにしました。

試写会の感想はもちろん、PVも、作品公式Twitterも、各メディアのインタビュー記事も、全部全部です。

 

そういう感じのアレで映画を観て、パンフレット等を読む前に一旦自分の純粋な感想を残しておこうと思って、今に至ります。

どうせ複数回見るんだし、それなら最初の気持ちを書いとくのも悪かない。

 

 

以下、ネタバレ含みます。

 


 

行くやで。

 

鑑賞後最初のツイートがこちらです。

 

 

これは誇張表現なしのマジの話です。

作品の中盤、起承転結で言うと転の導入に当たる部分でしょうか。そこでのみぞれと希美のやり取りで「アッこれはヤバい」と直感しました。そこから最後までもうバクバクです。

具体的に言うと、みぞれが「先生に音大勧められてる」って言って、希美が「みぞれがそこに行くなら私もそこにしよっと」みたいなことを返すんですね。

それまでずっと「みぞれ=リズ」「希美=青い鳥」という構図で進んでいると思っていたので、「え、待って?この会話だとみぞれが青い鳥で希美がリズじゃん。逆じゃん…!?」と混乱して、そこまでの会話の感じとかがフラッシュバックして、山田尚子にやられていた自分にそこで初めて気付きました。

もっと言うと、冒頭の、みぞれが希美を待っているシーンからの、希美の一歩後ろを付いていくみぞれっていう、あの一連のシーンの時点で「うわうわ出た出た、山田尚子得意の"視点揺れカメラ芸"と山田尚子得意の"脚で感情を見せる芸"じゃん、出た出た!」となっていたのですが。

 

今思うと、この映画って非常に音楽的なんですよね。

足音も印象的に使われていたし(みぞれと希美の歩き方が違うのもとても良かった)、希美のポニーテールは振り子もしくはメトロノームの暗喩で変わらないものの象徴なのかなって感じだったし、多分ほかにも色々あるんだろうけどさ。

そういう意味では「リズと青い鳥」はほとんどソラシドエアですよ。ほら、鳥も飛行機も飛ぶし(無理やり

他にめっちゃ良いなー!って思った音楽が、最後の最後、画面が真っ暗になったところで、ピアノの高い音が「ピンッ」って聞こえてですね。「あんなんおかしいよな…普通やらねぇよな…」と思う自分と「いや確かに聞こえた」と思う自分が絶賛喧嘩中です。あれが空耳じゃなかったら良いな~って思ってるんですけど、あれは山田監督の指示なのか、それとも音楽の牛尾憲輔さんの仕業なのか、どっちなんでしょうね。めちゃ良かったですね…青春ムービー観た!感があの一音でぐわっと押し寄せてきて、めちゃスッキリした。

 

 

作画に関して言うと、アニメ版に比べて等身が高くなっているというか線が細くなっている印象を受けました。

TVアニメのメインだった黄前久美子高坂麗奈は、図太いとかたくましいとか、そういうキャラクターだった気がしていて。

それに対して、みぞれと希美の関係性はとても儚くて脆くて冷たい。薄氷みたいな。だからあのキャラデザになったのだろうか。

 

そういう危うい感じのふたりを繊細なタッチで丁寧に切り取ってひとつのエンタメに仕上げるのって、山田尚子監督が最も得意とするところだと思うんですよね。

たまこラブストーリー」のたまこともち蔵(プラスそれを見守るみどり)、「聲の形」の将也と硝子、そして今回。

そういう意味では、TVアニメシリーズの石原立也さんではなく、敢えて山田尚子さんを監督に据えたというのはとても腑に落ちる感じがあります(別に石原さんが繊細じゃないとかディスってるわけではない)。

 

 

正直なところ、初見では童話世界の「リズと青い鳥」が何を言いたかったのかがよく分からなくて、結局みぞれと希美の話の補助線でしかなかったような気がしてしまったし、その割に「みぞれと希美って、結局どっちがリズでどっちが青い鳥なんだ…?」と混乱したりもしたので、次回以降は童話世界に少し意識を置いてみようと思います。それかインタビューとか読んでみたらヒントが転がってたりするのかもしれない。

 

 

 

とりとめもなく書き続けてきたけど、多分書くこともうないので終わりです。

とりあえず、ゴールデンウィークにTVアニメの1期と2期を見直そうと思いました。

 

 

おわり