せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

bpm「TRINITY」 #bpmTRI 観劇感想と、恋について

2017年8月15日から8月20日にかけて、赤坂レッドシアターで開催された、bpm EXTRA STAGE「TRINITY」。

「Feeling」「Thought」「Emotion」の3作品が並行して上演されました。


「Feeling」
作・演出/川尻恵太
出演/神尾晋一郎・猪狩敦子浅沼晋太郎

「Thought」

「Emotion」
作・演出/浅沼晋太郎
出演/木村昴猪狩敦子・伊藤マサミ

8月15日(火) 19:00(F)
8月16日(水) 19:00(T)
8月17日(木) 19:00(F)
8月18日(金) 14:00(T)/19:00(T)
8月19日(土) 15:00(E)/ 19:00(F)
8月20日(日) 13:00(E)/ 17:00(E)

太文字が観劇した公演。
18日のはアフタートーク付き。





今回はDVD化しないということで、珍しく感想を書き残しておきたい。
つっても、台詞メモってるわけでもないので、もう超適当な感想になるけど。
あと、役の名前覚えてないので役者さんの名前で書いちゃうね、ごめんなさい。


「Feeling」。

乃木坂だったり思春期ラジオだったりで、なんだかんだ名前を知っていた川尻さんですが、これまで川尻さんが作・演出した舞台作品を観られていなかったので、今回観られて良かった。
ほんとは乃木坂の「じょしらく」とかも行きたかったんだけどねぇ。。

前説での注意喚起で「超音波などを出されぬよう」と言っていて、「ん?」と思ってたら、神尾さんの役名が「ドルフィン」。
こりゃもしかして…と思ったら、「観客=劇中に登場する貴族(実はイルカ)」というオチでした。

「観客のあなたも作品に組み込まれてる!」っていうオチ、ありがちと言えばありがちなのかもしれないけど、グッと引き込まれる感じがして個人的には大好きです。
しかも、今回のは背筋が凍るような展開からの、一転してこのオチだったので心が追いつかないというか。
先述したとおり川尻さんの脚本は初めてだったから他と比較はできないけど、ああいう冷たさというかどす黒さとか、そういうの書く人なんだ~ってびっくりした。



「Thought」。

唯一の客演なしの作品。

お金がテーマだったけど、そういう嫌らしさはあんまり感じなくて、それは軸に貧乏神役の猪狩さんがいたからなのかな。

菊地さんのあんなにコメディに振った役ってちょっと新鮮だったな~なんでもかっちょええな~。

観終わってとてもすっきりする、幸せになれる作品でございました。



「Emotion」。

僕の大好きな浅沼さんの作・演出作品。
今回も良かった。
とても良かった。。





ちょっとEmotionを観て思ったことについて語らせてくれよな。

3作品とも「恋」をテーマにしているように感じていて、それは「3」から連想される「三角関係」っていうのが関係してるのかな?とも思ったんだけど、特にEmotionはガッツリ恋。
舞台監督に「どうした?」って聞かれるのも納得なくらい、浅沼さんにしてはどストレートでした。

だいたい、浅沼さんの作品を観終わると、心にめちゃくちゃ響く言葉があるのね。
「不如帰」の「何事も遅すぎることはございません」然り、「ESORA」の「なんとかしようとするのを世界は許してる」然り。

で、今回のEmotion、まぁ感動的でした。
涙声もスンスン聞こえたし。

でも、僕はなんかこう、どこか他人事というか。
理由ははっきりわかっていて、マジの恋をしたことがないからなんだと思うけど。

だから、恋について「魔法なんだよ、あんなもんは」って台詞にも、「それよ…めちゃ分かるわ…」とかじゃなくて、「はぇー、そうなんか」って感じだったし、木村さん演じる主人公があそこまで悩むのもちょっと理解できないし。
強いて言うなら、猪狩さん演じる獅子丸(犬)のほうが感情移入できたくらい。
その場その場の感情に素直だし、昔のことはどうでもよくて今が全てだし。

ま、泣けなかったから嫌いな作品ってわけでもないし、泣けたからこれは最高!みたいな風潮めちゃくちゃ嫌い(だから映画のCMに、試写会で泣いてる女の映像流されてもムカつく)だし、紛れもなく今回もナイスな浅沼作品でございました。



んで、恋って謎じゃないですか。

知り合いで結婚した人もいるし、結婚したらそれはそれで幸せなんだろうけど、結婚しなくても幸せだし、現に今めちゃ楽しいし。

なんで世の男女が異性を求め合って、やれ花火大会だやれクリスマスだと躍起になってるのか、マジで分からん。
そんなに自分以外の人が好きか?
そんなに自分以外の人と一緒にいたいか?

好きになった人はいるけど、その人と一緒に過ごしたいとか、その人とどっか行きたいとか、その人といちゃこらしたいとか、そういうの全く思ったことがないんだけど、これは果たして俗に言う「恋」なのだろうか~分からん~分からんぞ~。

そんなんだから、恋愛系の話見ても他人事に思ってしまうし、素通り、みたいな。

でも、ほとんど唯一と言っていいくらいに心に残っちゃった言葉があってですね。
僕にとって大切な人(この人も結婚した)の言葉。

「結婚したほうがよい、子供がいる方が良い、それが普通だろ、歳いって結婚してない人って…な風潮に嫌気がさしてる人周りに沢山いるし、ほんまそやろなと思う。ただその道を選ぶことでしか見えない景色、できない経験があることは確かだと言いたい」

これ、頭っから離れてくれないんですわ。
もしかしてこれが恋なのか…嫁さん、僕に旦那をくれ。

という冗談は置いといて、その道を選ぶことでしか見えない景色っていうのは見てみたいなぁと思うんですよ。

これまでのオタクライフで、色んな人に色んな世界を教えてもらって、その先で色んな景色を見てきました。
現に、このbpmの作品も、愛生ちゃんが教えてくれた世界だし。
そしたら、bpmさんも浅沼さんが共演した役者や作家をゲストとして招いて「TRINITY」を上演してるし。

まぁ何が言いたいかって言うと「縁」って強いなっていう話。
その「縁」があって初めて見られる景色とか、知れる魅力とか、抱ける感情とか、気付ける自分とか、そういうのを沢山知ってこられたからこそ、「縁」って強いなって思うんです。

だから、恋してみるのもいいのかな~~~~~って思ったよ。
や、恋ってそもそもなんだよって話だった。
具体的には、自分のためじゃなくて誰かのために…ちゃうな、自分の「色んな景色を見たい」という欲求を満たすために、誰かと過ごすという選択をしちゃってもいいのかなっていう、そういうこと。
そうなのだ、僕は僕のために何かをするのがいちばん好きで、気楽で、楽しいからな。
僕は僕のために、誰かのために何かをしたい。

「Emotion」を観終わって、今はそんな気持ち。
こりゃ明日は雨が降るね。
毎日降ってるけどね。



素敵な作品に出会えた。
きっと次も素敵なアミューズメントを届けてくれることでしょう。



おわり