- 鋼の決意で退勤を成し遂げ、ことのはboxによる舞台「歌姫」を観てきた。
- 箱は中目黒のキンケロシアター。キャパは133人。めちゃくちゃ観やすくて綺麗な良い箱だった。今まででいちばん好きな箱かもしれん。
- 例によって知り合いが出ているので観に行ったやつであるが、とても良かった。
- ことのはboxの方針として、「「良質な戯曲を取り上げ、上質な舞台創作を目指す」をコンセプトに、1970年代以降に書かれた日本国内の戯曲を上演する」というものがあるそうで、今回も同様であった。
- 「歌姫」の初演は2004年で、2007年にはテレビドラマにもなっている。
- と、ドヤ顔で解説しているが、私は無知無知JKなので、作品のことは全く知らなかった。全部、鑑賞後にウィキペディアで調べた。ちなみにウィキはネタバレのオンパレードなので要注意である。
- お話としては、まぁ再演してるくらいだから当然なのだが、とても良く出来ていた。
- 展開としてはよくあるやつで(今となっては、である。04年当時は斬新だったのかもしれない)、最初に現代を見せといて、転換して過去に飛び、伏線を張り、ラストで現代に戻って伏線を回収する、というものであった。
- その中でも、緩急がしっかりしていて、台本としては予想通りの台詞であってもハッとさせられたりしてしまった。恐らく演出の酒井さんや、それを表現する演者の皆さんが上手なのだろう。
- 特に、主役の南翔太さんの存在感は抜群だった。イケメンだし、身体つきも良いし、声も通るし、イケメンだし、主役を演るために役者になったような人だった。
- ただ、04年の作品を今ふたたび作り上げるのであれば、現代パートで何かオリジナリティあることをしても良かったのではと思った。ラストにスマホでLINEを交換していたくらいで、そこはそれほど本質ではないというか、ガラケーでも成り立つものではある。
- そういうのではなく、カタルシスに繋がるようなものを、2019年の今だからこそのアイデアで盛り込んでくれたら、心からのスタンディングオベーションを贈れたような気がする。
- ちなみに冒頭で書いたように、今回の演劇は「とても良かった」。きちんと100点を叩き出した作品だと思う。120点を出すためには、もうひとつ新発見や驚きや革命が足りなかった。なのであくまで100点である。
- そんな感じです。良い作品だった。ことのはboxの次回作品も、タイミングをできるだけ合わせて観に行きたい。