せーはくの備忘録

備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。

UNISON SQUARE GARDEN『MODE MOOD MODE』を解剖する。その1

ワイやで。

 

立派にナンバリングなんかつけちゃってロッキング・オンみたいな題名ですがその2は未定です。多分書かない。

 

1月24日に発売された、UNISON SQUARE GARDENの7thフルアルバム『MODE MOOD MODE』についてです。

ざっくりとした感想はこちらで書きました。今回は、購入してから2週間が経ちますが毎日死ぬほどリピートしてるうちに書きたいことが出てきたので、もうちょい細かく書いてみようという記事。

ふと検索してみたら、アルバムの感想・分析ブログがわんさか出てきたの凄い。大人気ロックバンド。ユニゾンファンってホント物好きだな。

 

 

改めて収録曲。

1.Own Civilization(nano-mile met)

2.Dizzy Trickster

3.オーケストラを観にいこう

4.fake town baby

5.静謐甘美秋暮抒情

6.Silent Libre Mirage

7.MIDNIGHT JUNGLE

8.フィクションフリーククライシス

9.Invisible Sensation

10.夢が覚めたら(at that river)

11.10%roll,10%romance

12.君の瞳に恋してない

UNISON SQUARE GARDEN 7th Album「MODE MOOD MODE」クロスフェード - YouTube

 

で、このうちの1~2曲目、つまり『Own Civilization(nano-mile met)』~『Dizzy Trickster』について書いていきます。

 

  

解剖っつーことで主に歌詞について言及していくけど、USGの音楽の楽しみ方的には歌詞オンリーで考えるのはあまりよろしくない(個人的な意見です)ので、音源持ってる人は聴きながら読むことをオススメします。もし持ってないなら今すぐ買え!!

 


 

『Own Civilization(nano-mile met)』

 

UNISON SQUARE GARDENさん『Own Civilization (nano-mile met)』の歌詞

 

直訳すると「独自の文明」とか「自分の文明」でしょうか。

その「自分」が誰かというと、USGのことだと思うんですね。 

で、「文明」と表現しているのは、彼らが築き上げてきたライブ文化というか、ファン層というか。ファンクラブ名が「UNICITY=ユニゾンの街」であることを考えると、まぁそういうことでしょう。

 

そういう視点で歌詞を見てみると、まぁひとつひとつのフレーズがめちゃくちゃエモいわけですよ。

 

「精度上がったら拡張化 無意味に目立ったら逆効果」ってもうめちゃ田淵。目立ちたくねぇ~って言ってる姿が目に浮かびます。

「Understand Anti-Communication!」というフレーズからも「コールアンドレスポンス万歳!みたいなのめちゃ寒いじゃん」って言ってそうな感じするし。

で、「有体たる流れ=世間一般のライブのノリ」を変えてきた…というか、変えようとしてきたのがUSGなんですよね。ユーザーを育ててきたといえばわかりやすいかもしれない。

 

新規ファンを「新米」というのはうんまぁそうだよねって感じだけど、古参ファンを「備蓄米」って表現するのマジで天才だと思う。でも「顔は知らないまま」なの最高すぎる。たまらんな!!

 

で、「差し出された手は噛み千切るけど」というのがとても大事なフレーズ。この歌詞が2曲目に繋がっていきます。

 


 

『Dizzy Trickster

 

UNISON SQUARE GARDENさん『Dizzy Trickster』の歌詞

 

訳すと「目がくらむような詐欺師」。

これが誰のことを指してるかっていうのはファンの間でも解釈が分かれているらしく。the pillows山中さわおさん説と、THE BLUE HEARTS甲本ヒロトさん説があるっぽい。

僕は最初、ファンから見た田淵さんのことだと思ったんだけど、じゃあ田淵さんから見たら誰になるかっていうと、まぁその2人のどっちかだろうなぁと。田淵さんにとって音楽の原体験とも言えるのが甲本ヒロトさんだし、バンドのスタイルとかに影響を与えてるっぽいのは山中さわおさんだし。

ま、僕は田淵さんに関してはそういうルーツを辿る的なことにそれほど興味がないので答え合わせはしないけども、考えるのは楽しいよね。

 

歌詞を見ていきます。

 

「上手に準備されたユートピア」、これは世の中一般のライブのことだろうな。悲しみは無いんだけど物足りねえ、みたいな。

「みんなが大好きな物語」、これも同じく世の中一般の音楽のこと。だから、それを好きになれない人=ユニゾンファンのことを、田淵さんはよく「物好き」と表現してます。

 

「曖昧なんて論外の優しいmusic」、これも世の中一般のヤツですな。曖昧さっていうのは言い換えると自由さで、それがないということは優しさとも言えるけど、言い換えると不自由さなわけです。多分。

それに馴染めないから、「差し出された手は掴まなかった」と。ここで出てきました、先ほど大事なフレーズだと言った「差し出された手」。アルバム最後の12曲目にも「手」が印象的で最高な使われ方をしているので、気になるなら各々調べるか買うかしてください。マジで最高だぞ。

 

そんな感じでこの曲もクッソエモい歌詞が続くんだけど、じっくり見ていくと、音楽というものに出会った田淵少年の心のきらめきを感じる歌詞だなぁと思います。

個人的にめちゃ好きなのが「Dizzy Tricksterに僕の声届かなくていいけどあなたの世界で息をさせて」ですね。たまらんだろ。田淵が吐いた二酸化炭素を吸いまくって光合成して生きてたい。

  


 

解剖とか大層なこと言っといてあんまりちゃんと書けなかった。

 

UNISON SQUARE GARDENは紛れもなくロックバンドなんだけど、音楽性はロックバンドの皮を被ったポップスだと思っていて。

でも一方で、こういうひねくれた感情を歌詞にしてクソカッコいい歌にしちゃうわけだから、やっぱりロックバンドなんだろうな。

 

UNISON SQUARE GARDENさん『instant EGOIST』の歌詞

これはもう呆れるほどどストレートに歌っちゃってるけど、今回の2曲もこれに近いレベルでユニゾンの音楽を歌っている歌だなぁと感じました。

 

一聴して楽しい、深く考え込んでほんのり泣けちゃう、そしてライブ行って死ぬほど楽しい。そんなUNISON SQUARE GARDENの音楽はどうだい。みんなで新米になろうぜ!!!!

 

 

おわり